徹底的に「絞る」ことが、ブランディングの成功の要因[南総合研究所]

  1. 不動産事業者向けコラム

 最近、不動産会社様からブランディング、マーケティングのご相談を受けることが多くなってきた。こうした相談の場合、「とにかく今の会社を宣伝したい」、「認知度をとにかく上げたい」、というかなりざっくりとしたご相談の内容が多い。勿論、こうしたご相談に対して、自分なりにしっかりとヒアリングをさせて頂くが、現実的に、ブランディングがはっきりしないまま、計画倒れすることも多くある。

 話は変わるが、先日東京オリンピックの開会式が開催された。いろいろな賛否両論はあったが、私の個人的な感想としては、「とっちらかっている」印象だった。当然、とっちらかっていると、なかなか心に残りにくい。なかなか難しい状況ではあったと思うが、大きな印象を与えることは、難しかったのではないだろうか。

 不動産業界でも、最近はかなり多くの不動産会社が、SNS等で積極的に発信をするケースが多くなってきた。これはこれで本当に喜ばしいことだし、今後も大きく業界を変えるひとつの起爆剤になるかもしれない。しかし、ユーザーには、なかなか「印象に残らない」ものも多いのではないだろうか。

 ユーザーにとっては、不動産会社は、どこも同じように見えてしまうことが多いだろう。同業者相手のBtoBであればまだしも、to Cに対しては、かなり強いインパクトを与えなければ、印象に残らない。

 サービスを徹底的に『絞る』

 では、どのようにインパクトを与えることができるか。これは、サービスを徹底的に「絞る」ことである。

 ブランディングに成功している不動産会社は、この「絞る」ことを徹底し、それを発信することで、上手く認知度を上げることができている。

 ひとたび、認知が上がれば、もうそこからは、倍々ゲームのように顧客が増えていく。このブランディングの威力たるや、本当に凄まじいものがある。

 では、この「絞りかた」には、どのような種類があるだろうか?

1.『ユーザー』を絞る

 まずひとつは、「ユーザー」を絞ることだ。「学生限定」、「生活保護者の方限定」、「富裕層」、「高齢者」など徹底的にユーザーを絞り込み、それを浸透させることでブランディングを成功させることができる。

 私が、これまでお手伝いや関わらせて頂いた企業様は、このユーザーの徹底的なセグメントを、愚直に実行していた。狭く絞り込むことで、広く浅く「誰でも」ウェルカムのサービスよりも、「特定のユーザー」に対して多くの信頼感を得ることができる。

2.『エリア』を絞る

 また他の方法として、「エリア」を絞り込んだサービスの展開をすることも効果的だ。

 都心エリア、郊外など、とにかくエリアを限定し、そのエリアでのサービスをアピールする。エリアを限定にすることで、たとえば、賃貸事業であれ、売買事業であれ、広く深く事業内容を展開することができる。注意点としては、この最初の「エリアの決め方」が重要にはなってくる。

3.『サービス』を絞る

 また、他には「サービス自体」を絞り込むことだ。たとえば、オンラインでの取引完結、また特殊な材質を使ったリフォーム、リノベーション、またデザイナーズ物件などの特定物件の紹介など、がそうである。これも一旦、浸透すると大きな効果を生み出すことができる。

まとめ

 以上のように、まずブランディングを進めるためは、「絞り込み、発信すること」が重要になる。繰り返すが、あまり不動産に詳しくないユーザーが見ても「即座に理解できるサービス」であること。これを意識しなければならない。

 冒頭述べたように、「今の会社を宣伝したい」という要望を受ける時に、何を絞り込むのか、そして誰をターゲットにするのか、を決めなければ、とっちらかった印象をユーザーに与えてしまう。勿論、絞り込むことで、一時的なマイナスを生んでしまうこともあるだろう。しかし、その覚悟がなければ、ブランディングはけっして上手くいかない。

 是非、参考にして欲しい。


記事提供:南総合研究所


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