不動産テックを使ったブランディング戦略とは?

  1. 不動産事業者向けコラム

この数年、不動産会社様からブランディングのご相談を頂く機会が多い。その際に、頂く要望の多いものとして、「テック系」のサービスリリースなどを使ってブランディングをしたい、という要望だ。

 なにもテック系のサービスをリリースすることだけが、ブランディング戦略では、勿論ない。動画配信を使ったり、コンテンツメディアを利用したり、他の方法は幾つも存在している。しかし、実際のところ、テック系サービスリリースの要望が、他の戦略と比べて圧倒的に多いのが実情だ。

では、なぜこうした要望が多いのか。それは、ひとつは、単純に、「見映えの問題」があったりする。もっと突っ込んで言えば、たとえばIPOの際にも、不動産テック系サービスを持っている企業は、非常に市場に与える印象が良い。また既に上場している会社であれば、株価にも直接的に良い影響を与える。サービスの良し悪しは、別としても、やはり見映えは、それなりに良いのだ。

 では、実際にこうした不動産テック系サービスを作り出す場合、どのようなサービスを生み出すべきなのか。今回は、不動産テックサービスの種類を少しまとめてみた。

不動産テックのサービス種類

 ・各データを利用したサービス

 一番ポピュラーなテック系サービスは、これまでの取引事例や、顧客データを取りまとめたサービスだ。一番わかりやすい例だと、これまでの不動産取引データを集約し、査定サービスなどを開発することなどがそうだ。

 不動産取引は、これまでなかなかデータ化が難しかった。しかし、最近は取引事例なども比較的データ集積ができるようになった。過去のデータを学習させ、最適な解を導き出し、提案価格を導き出すことで、査定サービスなどをローンチできる。

 また、顧客データを利用したサービスも、実現可能だ。これまでの顧客属性をカテゴライズし、たとえば顧客属性に応じた物件提案を行ったり、CRM機能を開発したりもすることができる。

 不動産テックのなかでも、蓄積データからのサービス開発は主流なもののひとつである。

 ・不動産オーナー、不動産業者向けのDXサービス

 不動産オーナー向けのアプリや、不動産会社向けの業務支援系サービスなどがそうだ。

 勿論、こうしたサービスを開発する際、アプリ開発などは、そこまで手間ではないが、なによりも実務を理解しておかなければならない。実際の業務フローをきちんと体系化し、その業務を新しい機能で補填することができれば、より良いサービスは開発できるだろう。

 また、オンライン内見のサービスの提供や電子契約などのサービス提供などもこれに該当する。

 ・IOTを用いたサービス

 わかりやすいところだと、スマートロックなどがそうだ。実際の住宅にまつわる「モノ」とテクノロジーをかけ合わせて、新規開発し、販売する手法がこれにあたる。

 勿論、スマートロックだけではなく、諸々の住宅設備が、最近は大きくバージョンアップされている。こうした「モノ」とデータ連携をさせることで、多くの新規サービスが生み出すことができるだろう。しかし、こうした新規サービスをつくりだすためには、かなりの資金が必要になる。資金と流通ルートを抑えていかなければ、かなり難易度は高い。

 ・対ユーザー向けの新しい不動産サービス

 たとえば、通常のポータルサイトとは異なった、新しい切り口の集客サービスの開発などがそうだ。こうした集客サービスをアプリ化し、自動対応チャットなどでユーザー対応する。こうした取り組みもテックサービスのひとつだろう。

 こうしたユーザー向けのサービスは、収益化するまでかなり時間と手間がかかるが、一旦軌道に乗ると、大きな成果を生み出すことができる。

 また、こうしたメディアサービス以外にも、金融系(フィンテック)サービスの提供も、あげられる。不動産ローンや賃料保証などをデータベースを使い、最適なプランで提案するサービスなどがそうだ。これもサービス開発はかなり大変だが、得られる成果は大きい。

 まとめ

上記のようなサービスを上手く作り込み、対外的に発信することで、市場に大きなインパクトを生み出すことができる。それは、具体的には、上場会社であれば、株価に、そして、非上場会社であれば、資金調達などに良い影響を与えることができる。

 しかし、当然のことながら、サービス開発をし、リリースすることが、ゴールではない。ここからが本当の事業スタートである。

 実際のところ、大きく世の中に打ち出して、話題になったが、なかなかサービスが広がらないプロダクトも、かなり多く存在していることも忘れてはいけない。

 そう考えると、不動産テックを使い、ブランディングを行うことは、諸刃の剣かもしれない。しっかりとしたコンセプトと、地に足の着いたサービスを推進する力がなければ、当然のことながら、事業は上手くはいかない。

 不動産テックという言葉は対外的には聞こえは良い。しかし、こうしたサービスを収益化するのは、とても難しいのである。

 これから不動産テックを開発する企業様は、是非参考にしてほしい。


記事提供:南総合研究所


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