お盆の期間などの長期休暇、さらにコロナの自主的な自粛などの期間は、SNSやネットを見るユーザーが増加すると言われる。当然といえば、当然だが、多くの人が家にいる期間が増加すると、各サイトのアクセスやSNSの閲覧も比例するのは、自明の理である。
不動産系のSNSやサイトも例に漏れず、こうした期間は、それなりにアクセス数が向上していく。家のなかで、次の引っ越し先を探したり、また、時間潰し程度に物件サイトや不動産系SNSを閲覧するかたは、一定数いる。残念ながら、こうしたユーザーの反響成約率はあまり高くない印象たが、それでも閲覧数が上がることは、不動産会社の認知度を向上させる役割があるので、発信者側には一定の効果があるだろう。
では、この不動産系、特に物件を紹介する動画など、全てのアカウントがこうした期間に閲覧数が増加するかと言われれば、けっしてそうではない。当然ながら、閲覧数が伸び、お気に入りに登録される人気の不動産系のSNSアカウントもあれば、なかなか登録者数が伸びないアカウントもある。世の中、全ての不動産系のSNSの登録者数が増加するわけではないのだ。
今回は、反響成約率や歩留まりなどの数値は置いておいて、とにかく「SNS登録者数が増えやすい物件」に焦点を絞り、紹介したいと思う。
勿論、これは現時点での人気カテゴリであるので、今後、またそのトレンドは変わるかもしれない。その点はご承知置き頂ければと思う。
目次
SNS登録者数が増えやすい物件
・リノベーション物件
これは、本当にスタンダードになりつつあるが、お洒落なリノベーション物件は、アクセス数を稼ぎやすい。特に、ビフォーやアフターなどを紹介すると、より好印象のようだ。リノベーション物件の認知度に関しては、この10年で大きく進化した。しかしながら、実際のところ、どのように古い部屋が生まれ変わるのかは、あまり一般的には知られていない。古い物件が生まれ変わる工程の紹介、そして完成したお洒落なリノベーション物件を定期的にアップすると、再生数、閲覧数が伸びる可能性は多いにある。
また最近は、古民家などをリノベーションする動画も人気のようだ。今後も空き家などのリノベーション動画は、再生が伸びていくだろう。
・デザイナーズ物件
ユーザー自身が住む、住まないという観点ではないかもしれないが、お洒落なデザイナーズ物件の投稿もかなり人気が高い。デザイナーズ物件は、なかなか自分が住むとなると、ハードルが高くなりがちだが、ただ、「閲覧はしてみたい」、というのは、ユーザーの本音である。特徴的な外観や、メゾネットやルーフバルコニー、特徴的な壁紙など、見るだけでも楽しい物件が多くある。不動産会社としては、こうした物件の撮影許可をとるのは、難しいかもしれないが、それでも、根気よく掲載を続けていれば、これもそれなりに閲覧数を稼ぐことができる。
・高級マンション
なかなか一般のかたには、手の出せない物件。タワーマンションや都心の人気エリアの高級マンションなどの紹介動画も人気だ。ちなみに、高級マンションだけではなく、高級車、高級ブランド時計なども、閲覧数が上がりやすい。これは一般ユーザーの心理的な状況も関係しているだろう。たしかに、高級物件を閲覧するのは、なかなか楽しいものである。都心を一望できる夜景や、充実の設備や豪華なエントランスなど、見ていて飽きがない。
・間取りが特徴的な物件
超極小のワンルームや、あり得ないほど広いルーフバルコニー、また地下室がある珍しい物件など、とにかく特徴的な間取りの物件を紹介する動画も人気だ。これこそまさに自分が住みたいわけではないが、「怖いもの見たさ」で見たいユーザーが多いだろう。しかしながら、こうした間取りが特徴的な物件を動画で見るのは、それはそれで楽しいものだ。膨大な日本の不動産には、本当に変わった物件がまだまだ埋もれている。こうした物件を紹介する動画も引き続き伸びていくだろう。
・物件所在地が特徴的な物件
ポツンと一軒家のような、かなり特殊な場所に所在する物件も、再生数を稼ぎやすい。前述したような山奥の物件や、海沿いの物件、かなり僻地に所在する物件から逆に超都心の物件など、こうした「あり得ない場所」にある物件も人の興味をそそる。特にその場所から見られる眺望などが、絶景であればなお、効果大だ。
勿論、こうした物件は、不動産取引としては、「再建築不可」だったりするケースが多く、なかなか収益化が難しいが、それでも、やはり閲覧数は伸びる。
まとめ
以上のように、「怖いもの見たさ」、または「普段見られない憧れの視点」でユーザーは、物件を閲覧する。このような嗜好に合わせて、動画等を掲載していけば、かなりの高確率で、閲覧数や登録者数が伸びるだろう。ただし、いくつかのポイントもおさえておかなければいけない。
たとえば、閲覧数が伸びる動画は、編集技術が優れている。物件全体が見渡せるようにゆっくりと再生したり、動画内のコメント等もきちんと挿入する。またサムネにもこだわり、より再生してもらえるような対策を打たなければいけない。
また、今回紹介した内容は、あくまで「登録者数、再生が伸びやすい物件」の特徴であり、けっして「売上が増加する動画掲載方法」ではない。登録者数、閲覧数が伸びたその後に、この閲覧するユーザーに対してどのようにリーチし、ビジネスに結びつけるかが重要である。是非、参考にし、新たな収益獲得方法を考えてみて欲しい。
記事提供:南総合研究所