不動産系の動画を大量に見て気付いた、ひとつの視点【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

この数日で、仕事の関係上、多くの不動産会社のYouTube動画を見た。おそらく数年前まで、不動産会社が運営するYouTubeチャンネルの数は、皆無に近い状態だった。それが、今や、100社を優に超えている。緩やかだが、確実に世の中は変化しているのだ。これから数年後は、さらにこの「コンテンツ動画配信事業」は、不動産業界においてもより一般化していくだろう。

 また、今回、多くの不動産系動画を見ていると、再生数の伸びる動画とそうではない動画の違いがなんとなくわかるようになってきた。勿論、今後のトレンドは変わっていく可能性があるが、現在認識できる範囲でまとめてみたい。

再生数の伸びる動画とそうではない動画の違い

 ・物件購入ノウハウは、タイトルのインパクトと基礎的な動画内容が伸びやすい

 物件購入のノウハウの動画数が、かなりYouTube上で増加しているが、このなかで伸びる動画の共通点として、

 ・賃貸vs売買

 ・中古購入での注意点

 など、極めてシンプルでわかりやすいタイトルがあげられる。逆に、細かいエリアの説明や、事務的な手続きの細かいノウハウなどは、あまり伸びているイメージはない。

 おそらく購入ユーザーは、検討の初期段階として、YouTubeで知識取得をしようとしているのだろう。逆に深掘りした知識が必要な段階では、実際不動産会社とやり取りをしている段階なので、あまりYouTubeで知識取得する必要は、ないかもしれない。

 ・業界向け動画は再生数がのびない 

 元々の性質もあるのだが、不動産業界内ネタ、不動産業務ノウハウ系は、再生数は伸びていない印象だ。だが、そもそも再生数を目標にしているわけではないチャンネルも多い。あくまで、業界内での知見提供のチャンネルと割り切って考えるなら、問題ないかもしれない。ただ、「再生数を伸ばす」という目的に対して、「業界ネタ」だと、やや苦戦する印象がある。

 ・物件紹介は、「尖った物件+サムネのインパクト」が鉄板

 物件紹介動画は、普通の物件の紹介だと、あまり再生数は伸びない。よく伸びるのが、極端に部屋が狭かったり、逆に超高額物件などの「珍物件」と呼ばれる変わった物件の紹介動画だ。怖いモノ見たさの部分もあり、かなり再生数を稼ぐことができる。ただ、サムネとタイトルにそれなりにインパクトを持たせないと、流入までは至らない。コンテンツと同時に編集力も重要なのだ。

 ・リフォーム、リノベーションの工事紹介、戸建ての出来上がりまでの紹介動画は、編集次第で大きく伸びる

 リフォーム、リノベーションの工事工程の紹介や、戸建の完成までの紹介動画も、編集次第で大きく再生数を伸ばすことができる。当然のことながら、不動産だけではなく、プラモデルのような「モノが出来るまで」を紹介するコンテンツは、かなり鉄板である。しかし、これも動画の構成や編集力が再生数を左右する。

 ・ライフスタイルの紹介

 物件の紹介と同時に、出演者(入居者)のライフスタイルの紹介も行う動画が、最近、再生数を伸ばしている。上記で紹介した「変わった物件」や「尖った物件」の紹介では、動画上でユーザーは登場しない。しかし、ライフスタイルの紹介は、当然、実際住んでいるユーザーが登場する。よりリアリティを感じさせていることが、再生数を伸ばしている理由になるだろう。また不動産領域ではなく、家具や家電のインテリア領域との相関性も高い。今後も注目したいところだ。

まとめ 

こうして纏めてみると、不動産系のYouTube動画も、ただの企画力勝負ではもはや無くなっている。かなりの編集力も必要だし、そもそものマーケティングの力も必要になってきている。今後も、より一筋縄ではいかない領域になっていくだろう。

 また、今回多くのYouTube動画を見て気付いた点として、不動産会社としてブランディング力を上げる場合は、最後に紹介した「ユーザーのライフスタイル紹介」の動画が、かなり効果的だと感じた。

 よくよく考えると、不動産業は、入居者や購入者ありきの産業のはずだったのだが、いつの間にかユーザーを置き去りにしてしまった印象が強い。そこで、改めてライフスタイル提案という観点で物件を紹介していくと、かなりユーザーの信頼度も上がるのではないだろうか。

 企画力、編集力、マーケティング力、そして今後は「ユーザー目線」という軸が、動画を使った不動産会社のブランディングにおいては、必要になってくるかもしれない。


記事提供:南総合研究所


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