部屋探しにおけるキャズムの壁とは?【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

「 物件を探して、内見に行き、申込をする」この一連の流れが始まったのは、いつからだろうか?20年前どころではない。もしかしたら100年以上前から行われていたかもしれない。

 この流れにほぼ変化がないにしても、「物件を探して」の「探し方」は、大きく変化してきた。およそ20年以上前まで、物件の探し方は、「来店」か「住宅雑誌」か「知人、職場からの紹介」からが大半だった。私がキャリアをスタートしたのも、この時期だ。当時は、本当に集客という部分において、とても苦労していた記憶がある。特に店舗の立地が悪いところだと、ほぼ死活問題に近かった。それほど当時は、店舗の立地が重要だったのだ。また住宅誌の入稿や締め切りもとても苦労していた。締め切りとその工数に追われていた記憶がある。

 その当時、「どうやらインターネットなるもので、不動産の広告ができるらしい」というぼんやりとした情報があった。私も見よう見まねで、当時のポータルサイトや、自社のHPに物件を掲載したものだ。実際、あの時代に、このツールが将来の集客の大部分を占めることを予想できた不動産会社はいただろうか?おそらくほとんどいなかっただろう。実際のところ、ほとんど反響は無く、物件に掲載したことすらも、その問い合わせのメールの確認の方法すらもよくわかっていなかった。

 時は流れ、今やネット集客は完全に主流になっている。そのなかでも、ポータルサイトの集客は、長い間、集客において王座に君臨している。およそ20年程度だろうか。今や「物件を探す」ということは、「ポータルサイトで物件に目星をつける」ということとほぼ同義語になっている。

 この流れは、おそらくあと10年は継続するだろう。それほどこの「探し方」は、一般化されている。仮に、この「ポータルサイト検索」が主流ではなくなるケースを考えてみると、GAFAなどの超巨大企業が新しい「探し方」のツールを提供し、大きなパラダイムシフトを起こすか、またはSNSの理由がメインになるぐらいしか考えつかない。

 今から10年程前からSNS上で物件を掲載し始めた不動産会社が登場し始めた。繰り返すが、当時は、SNSから集客ができるなんて、多くの不動産会社が、期待すらもしなかったのではないだろうか?

 しかし、今やSNSでの集客は、徐々にスタンダードになりつつある。TwitterやインスタグラムでのDMのやり取り、またHPへの流入導線の獲得などは、当たり前になってきている。また物件紹介動画なども、現在では珍しくもなんともいえない。YouTubeでは、山のように物件紹介の動画がアップされている。

 このようにSNSでの物件紹介は、「スタンダード」にはなりつつある。しかし、まだこの「探し方」が「主流」ではないことも忘れてはいけない。やはり、そこには、王者のポータルサイトが君臨しているのだ。

 「キャズムの溝」という言葉がある。新しい商品が発売されて、市場の浸透率が16%を超えると、いっきに普及していくという理論だ。16%までは、2.5〜13.5%の革新者、そして13.5〜16%までの初期採用者が商品を利用する。こうした「新しいもの好き」の人たちから浸透され、市場浸透度が16%を超えたとき、そこに大きな「変化」が生まれる。

 現在、SNSで部屋探しを行い、申込みまで行うユーザーは何パーセントだろうか?10%ぐらいかもしれない。もしかしたら16%間近かもしれない。いずれにしても確実にこのSNS利用をした部屋探しの市場浸透度は上昇してきている。

 ひょっとしたら、この数年の間に、ポータルサイトに代わった大きな「王者」が誕生するかもしれない。そうすると、20年ぶりに業界のパラダイムシフトが生まれるかもしれないのだ。そろそろ「探し方」の変化を目の当たりにしたいものだ。


 記事提供:南総合研究所


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