不動産会社(及びその周辺会社)の広報内容の分類【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

不動産会社における広報とは

 仕事柄、毎日、不動産会社の関連ニュースをチェックしている。そのなかで、不動産会社自身からのプレスリリースを見る機会がとても多くなってきた。理由として、「prtimes」などで、自社自らで、広報を安価で広範囲に打つことが可能になったことが理由だろう。いずれにしても毎日、数十件の不動産系のプレスリリースが発信されていることは、一昔前では考えられなかった。また、このような記事を毎日チェックしていると、広報内容から、いくつかの共通点を見出すことができる。当然、企業が広報をするからには、それぞれの思惑があり、インパクトに対する期待を、企業側は、持っている。

 今回は、このような不動産会社の「広報内容」の分類をまとめてみたいと思う。是非、日々の活動のなかで、PRに使えるポイントを見出して欲しい。

 1.新商品、新サービスリリース

 一番、主流なのが、新サービスの発表だろう。特に不動産テック企業などでは、この新サービスのリリースで、どれだけ市場にインパクトを残すことができるかが重視される。

 いくつかの例として、サービスリリースでは、「業務支援系の不動産テックサービス」、「新築物件に付帯されるサービス」、「設備系の新商品」などをリリースすることが多い。

 今後も、当然ながら不動産会社、もしくはその周辺会社でなんらかの新サービスを作った際は、積極的にプレスリリースをしたほうが良いだろう。他メディアなどにも取り上げれるきっかけになりやすい。

 2.提携系のリリース

 企業同士の提携なども、よくリリースされる。特に大手企業同士の業務提携などは、それなりに業界にインパクトを与えるようだ。また、地方自治体との提携や、大学との共同開発(産学連携)なども、よくリリースされる。

 特に上場会社では、この提携内容の発信により、株価に影響を与えたりもするので、提携関係をしっかり対外的に知らせるのは、重要である。しかし、このような提携系のリリースを行う際は、相手型と歩調を合わせなければいけない。リリース内容の文言や発信日時などをお互い確認したうえで、発表しなければいけない。

 3.「成果」をアピール

 「導入社数〇〇社を超えました」、「サービス利用者〇〇人突破」などの、サービスに対しての「成果」を広報するケースも多い。当初のサービスリリースが、大きなインパクトを与えなくても、このような「数」の説得力で、インパクトを与えることができる。利用者増加によって、少しサービスの内容を見てみたいというライトなユーザーなどを獲得する手助けにもなる。  注意点としては、その数値が「発表しても問題ないか」を確認しなければいけない。当然、実績の発表は、競合会社にも知られることになる。また、その数値がしっかりと実績に基づいたものでなければ、信用の失墜にも繋がるので、注意が必要だ。

 4.データ集計を発表する

 企業活動を行なっていると、様々な利用者の声を集めることができる。特に不動産業界では、当然ながら、住まいの様々な生の声のデータを取ることができる。また、物件の空室データや、反響数データなど、様々なデータなども取得することができる。こうしたデータを利用して、市況レポートとして、広報をすることができる。このようなデータ集計のリリースは、メディアなどで拡散するケースが多く、会社のブランディングに大いに役立つことができる。

 注意点としては、相応の説得力のある集計数値であることと、集計前にしっかりと仮設を立てておかなければいけない。集計結果によっては、企業側として、プラスに働かない可能性もある。

 5.アンバサダーなどのタレント就任の発表

イメージキャラクターなどの就任などに、プレスリリースするケース。これは、そもそもプレスリリースのインパクトを最大限活用した方法のひとつである。タレントや著名人を使うことは、企業の大きな宣伝になる。当然、このような発表は、大きなインパクトを与えることができる。しかし、起用タレントなどが、企業イメージと合わなかったり、起用タレントなどの不祥事対応などのリスクもそれなりにある。

 6.イベント開催の告知

 オンライセミナーなどのイベント告知を発信することも効果的だ。イベントの最大の課題は、当然のことながら、集客面である。コンテンツの良いイベントを計画しても、集客できなければ、成果は乏しい。その際に、イベントページの告知を行い、多数の目に触れるようにする。自社の顧客へのアピールや、既存のイベントPRだけではなく、広く広報していくことで、成果を得られることを目指す。

 注意点としては、「イベントを乱立しないこと」、また、当然だが、「イベントの内容自体をしっかりとしたものにすること」である。とにかく見込み客を獲得したいが為に、イベント広報を立て続けに行うと、なかなかひとつのイベントに対する印象は、薄まってしまう。


まとめ 

以上のように、企業がPRすると言っても、様々なタイミングやコンテンツがある。おそらく自社に合った広報活動がそれぞれの不動産会社にはあるだろう。勿論、手当たり次第に自社の企業活動を発信しても、効果は少ない。その活動、内容の「質」を重視し、より効果的な発信方法を見出すことで、より大きな効果を生み出すことができる。

 是非、一度、自社の広報内容を検討してみても良いのではないだろうか。


記事提供:南総合研究所


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