業界内で浸透が進む物件動画配信のリアルとは?【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

  少し前まで物件の動画を撮影して、SNSなどに発信する不動産会社は、あまり存在していなかった。しかし、この数年でこうした取り組みを行う不動産会社が、圧倒的に増加したように感じる。現在、InstagramやTikTokで物件動画を探すと、星のようにこうした動画が発見できる。おそらく今後も、こうした物件動画は、どんどんと生み出され、そしてSNS等で発信されていくことだろう。

 ちなみに、私自身も各不動産会社様からこうした動画制作、配信についての相談を受ける。「今後、SNSで動画配信を行っていきたいのだが、どのように進めるべきか」、「物件動画を作成するうえでのポイントなどはあるか」このようなお悩みである。私自身は、動画作成やSNS運用などは、素人の領域なのだが、こうした悩みを受けた際は、成功している不動産会社やアカウントなどを参考例として紹介するようにしている。これまでは、数自体が少なかった不動産会社のSNS成功事例も、ここ数年でいくつもの成功モデルタイプが生まれているようだ。ちなみに、ここでの成功例というのは、あくまで「フォロワー数」や「再生数」の数の成功例である。ここから反響を獲得し、売上を上げるとなると、難易度は一気に上がる。

 ちなみに、不動産会社は新規反響をどのような媒体で獲得しているだろう?多くの不動産会社のかたにヒアリングしてみたが、その大半は、「ポータルサイト」、もしくは「自社サイト」であった。ちなみにInstagramやTikTokなどでそれなりのフォロワーを獲得している不動産会社でも同様の答えが多数であった。

 実際のところ、身も蓋もない話かもしれないが、フォロワー数や再生数を獲得しても、それ自体が反響に結びつくケースは少ない。問題は、「再生数、フォロワー数を獲得した後」の取り組みが重要なのである。

 ここで、エンドユーザーがSNS等で物件の内見動画を見る理由を、考えてみると、

 1.なんとなく部屋の動画を見るのが好きなので、おすすめに出てくる。

 2.不動産系の動画や内見動画を見ることが、大好きで、積極的に見ている。

 3.現在部屋探しをしていて、SNSを使って物件を探している。

 4.ポータルサイトなどで目星をつけたその物件の部屋の中の動画を見たいため。

  だいたいこのようにに分類される。そう考えると、再生数やフォロワー数が多いだけでは、直接の反響を獲得できないことがわかる。実際に、1や2のケースだと、直接的に反響には繋がりにくい。

 また、3や4のようなユーザーを獲得しようとしても、これはこれで難易度が高いのが現状だ。

 おそらくまだSNSをやっていていない、もしくはこれから始めようとする不動産会社の大半のかたは、フォロワー数や再生数が取れていれば、反響も比例して増加するだろう、と考えているかたが多いかもしれない。多少、比例する部分はあるかもしれないが、決して面白いように反響を獲得することができるかと言えば、そうならないのが現実だ。

 では、SNSを使って反響を獲得している不動産会社はどのような取り組みを実施しているのだろうか。

 1.問い合わせ導線の整備

 まず、再生数を稼いでフォロワー数を増加しながらユーザーとのDMのやり取りを活性化する。その後は、LINEへの誘導などを行い、接客的にユーザーとコミニュケーションを取る。

 こうして文字で伝えると、簡単に感じるかもしれないが、実際はなかなか大変である。そもそも成約してくれそうな確度の高いDMなどは、そうそう来ないし、もし仮に来たとしても、かなり計算したうえでやりとりをしていかなければいけない。

 2.自社サイトなどの誘導

 DM→LINEという難易度の高いやり取り以外で、反響を獲得するためには、自社サイトや自社メディアへの誘導などもひとつのやり方だろう。

 実際に数多くのフォロワーがいるアカウントでも、そのアカウントはあくまで「自社サイト」への誘導がメインであるアカウントが多い。

「SNSからの直接の反響」ではなく「SNSを介した反響」を狙うやり方だ。

3.SNSでの物件名検索を狙うピンポイントの反響獲得

 都心の高級マンションやタワーマンションなどを検討しているユーザーは、検索サイト、もしくはSNS内で物件名の検索を行い、室内動画を確認する。こうしたユーザーの反響獲得を狙う方法が、このピンポイントでの動画掲載だ。ただ、このやり方も単純に動画をあげるだけではなく、しっかりと問い合わせ導線を獲得しなければならない。

 以上のように、ただ再生数やフォロワー数を増加させただけでは、反響数を獲得し、売り上げを上げることは難しい。

 問い合わせをしやすくさせるような導線の配置、また自社サイト、メディアへの誘導、また物件名検索での獲得など、それなりの施策を準備しておかなければいけないのだ。

 逆にこうした取り組みを成功させ、安定的にSNSから反響を獲得できている不動産会社は、かなりレアケースだとも言える。表面的な数字だけではなく、裏側の運用、体制面をしっかり構築していることは、本当に凄いことだ。

 是非、自社でSNSを始める時、改めてゴール設定を明確にした方が良いだろう。


記事提供:南総合研究所


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