不動産会社における失敗しない中途採用の方法とは?【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

世の中が徐々に通常に戻るにつれ、不動産会社も通常業務に戻りつつある。

 今までは、リモート営業やテレワークが主流であったが、リアルな接客や、通常出勤に完全に戻った不動産会社も多いのではないだろうか?またそれに併せて、これまで消極的だった人材採用も積極的になりつつある。

 やはりいくら生産性を上げても、一定程度の人材採用は必要なのだ。不動産業界は、以前から人手不足の感はあったが、最近はよりそれが色濃く出ているような気がする。ただ、コロナ前と違うことは、不動産会社自身も、以前より「スキルのある人材」を欲しがっているということだ。ポテンシャルの高い有能な人材を雇用したい不動産会社は、相当数いらっしゃるだろう。しかし、当然のことながら、「有能な人材」を獲得できる不動産会社もあれば、そうでもない不動産会社もある。この差はなんだろうか?一時的に採用が上手くいっているわけではなく、常に上手く採用活動をしている不動産会社もあれば、長い期間、採用に苦労している会社もある。今回は、私が見た「優秀な人材」の獲得が上手い不動産会社の取り組み事例や、採用における注意点などを紹介したい。

「優秀な人材」の獲得が上手い不動産会社の取り組み

 ・採用活動前のペルソナ化ができているか、否か

 たとえば不動産会社の中途採用活動で、どのような人材の獲得を希望しているだろうか?20代だろうか30代だろうか。業界経験はあったほうが良いのか。応募者の希望年収はどれくらいだろうか。

 まずは、企業側の欲しい人物像を明確化すること(ペルソナ化)だ。これはかなり採用活動において重要になってくる。ポイントとしては、想定の人物像を数パターン用意しておくことだ。あまり対象を絞りすぎると、採用自体が難しくなる可能性もある。ただ「人材を入れよう」では、採用後のミスマッチが起こりやすい

 ・応募者に「他社との違い」をアピールする

 企業のブランディングに近いが、採用サイト(LP)などを立ち上げて、自社の取り組みを紹介したり、SNSで企業活動を発信したりなど、自社の取り組みを発信していく。

 SNSなどは、あくまで「採用活動」として割り切って行ったほうが、意外と長続きしたりするケースもある。何よりも応募者にインパクトと、記憶を残すことが大切だ。

 また他には、LP等でしっかり「代表挨拶」などを入れておき、代表者の顔をはっきりアピールすることなども効果的だ。

 ・面接での役割の明確化

 社長の面接一発で採用する不動産会社も多いかもしれないが、1次面接、2次面接などを行う際は、それぞれの面接での目的や面接内容を決めておかなければいけない。ただ、面接の回数を重ねても、残念ながら採用のミスマッチは起こりえる。そもそも面接の回数を重ねる目的としては、複数の上長が、同様の質問をした際の「反応」の共有が目的となることが多い。

 また次の面接官に申し送りもしっかりしておかなければ、複数面接を行う意味がない。しっかりと社内でこのあたりを仕組み化することが重要だ。

 ・面接内容のルール化

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 面接時のすべての対応を統一化する必要は全くないが、せめて、「統一化された質問」は用意しておいたほうが良い。しかもそれが「志望動機」や「前職の退職理由」では、あまり意味がない。会社独自の「統一化された独自の質問」をせめて2つ程度準備しておいたほうが良いだろう。この質問内容が独特で、かつ洗練されていくと、かなり応募者の素の部分を見ることができる。たとえば、「自分自身が考える理想の不動産営業とは?」「クレームになった際の対応は?」などのような具体的な質問のほうが効果的だ。

 またこうした質問の準備とは別に、面接官自身の面接官としての「在り方」、会社で面接応募者を向かい入れる体制というものも見直したほうが良い。面接官の見てくれに不潔感があったり、何の準備もせず臨むと、希望の人材を採用できる確率は減ることは間違いない。

 また社内の雰囲気が暗かったり、挨拶ができていなかったり、受付の対応が悪いと、それだけでマイナスである。面接官、採用企業も応募者と同様に「見られている」という意識を忘れてはいけないのだ。

 ・育成の仕組み化

 採用前の面接時に入社後の育成スケジュールや給与モデルなどを、わかりやすく、明確に説明することも、大いに応募者の好感を得やすいだろう。

 また得やすいだけではなく、こうした育成プログラムを実際に社内に構築することで、大いに会社の売り上げに寄与できる。ただ応募者を採用することよりも、その後の育成のほうが重要なのだ。

 応募者の不安は、「採用後のギャップ」である。そこを解消し、かつ明確に育成スケジュールを共有することで、かなり不安感を取り除くことができるだろう。

まとめ

以上の5つの項目を徹底している不動産会社は、かなり採用が上手くいっているイメージだ。逆に「出たとこ勝負」のような採用活動や育成体制が整っていない不動産会社は、ずっと人材で悩みを抱えている印象である。採用、育成を仕組み化すれば、大きく企業は発展していく。ぜひ今回の項目を参考にして頂ければと思う。


記事提供:南総合研究所


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