たどり着いたインフルエンサー送客という究極の送客方法[南総合研究所]

  1. 不動産事業者向けコラム

 以前から議論されているが、物件の紹介行為の「どこから、どこまで」が宅建業法上の紹介行為にあたるのだろうか?これを細かく突き詰めると、かなりややこしい話になってしまう。サイトを見て、「この物件良いよね」と友人に話すことは、宅建業法上でも、不動産の紹介行為には当たらないだろう。では、「この物件良いから、内見、一緒に行こう」と誘い、不動産会社を通さずに勝手に内見に行くことは、どうだろうか?このあたりからグレーゾーンになるような気がする。(もっとも不動産免許がなければ、内見の手配をすること自体がかなり難しいのだが)

 ご存知のかたも多いだろうが、世の中にあるポータルサイトの運営会社は、「あくまで物件を掲示している場所の提供」であって、宅建業法上の不動産紹介行為には、あたらない。あくまで、そのサイトに情報掲載しているのは、不動産会社であり、ポータルサイト側としては、そのお客さんを不動産会社に誘導しているだけなのである。これはこれで納得できるものだろう。

 ただ、繰り返すが、単純に物件を掲載するだけでなく、物件の現地での案内や申し込み手続きまで、行ってしまうと、完全に業法的にアウトである。部屋のなかで紹介行為をするのは、やはり不動産業務にあたるのだろう。やはり内見前までの誘導が、なんとなく許容できるラインのような気がする。

 ところで、つい先日、直近で引っ越しを完了した知り合いと話す機会があった。私は職業上、親しい知人に、「どのような流れで部屋探しを行い」、そして「どの不動産会社で契約をしたか」、をつい聞いてしまう。(勿論、答えて頂ける範囲とその友人との距離感によるが) こうしたユーザーのリアルな部屋探しの声は、とても参考になるのだ。 

 ちなみに今回、この知り合いにヒアリングをすると、これまでにはないユーザー体験で物件申込みをしたことがわかった。とても興味深い話だったので、今回、少し紹介したいと思う。

 まずこのユーザーは、ポータルサイトをいっさい閲覧しなかった。ただ、勿論、物件の案内や申込手続きは、普通の不動産会社で通常通り行った。

 では、この私の知り合いは、どのように今回の不動産会社を選んだのだろう?

 Googleで不動産会社検索をしたわけでも、住みたいエリアなどを検索したわけでもない。友人の紹介や知り合いからの紹介で、その不動産会社に問い合わせしたわけでもない。

 正解は、「インフルエンサーのオススメ」だそうだ。

 たまたま今回の知人がフォローしているインフルエンサーが不動産会社の紹介をしていたそうだ。知り合いは、そのことが何となく記憶に残っていて、実際に引っ越しをするタイミングになり、ふと思い出したとのことだ。

 ちなみにこのインフルエンサーは、当然不動産業免許も持っていないし、専門知識があるわけではない。ただ、物件を探したり、部屋のインテリアなどに興味があるために、SNSでたまに投稿しているようだ。(アカウントのメインは、洋服などの紹介のようだ)

 不動産だけに限らず、今やどんな情報でもネットで手に入れることができる。そんななかで、どのような情報を「信頼するか」が今後のテーマになるだろう。

 そんななかで、自分が好きなインフルエンサーの情報提供というのは、現代において、ある特定層のユーザーからすると、「信頼たり得る情報」なのかもしれない。このような流れは、これまでの不動産業界にはなかったことだ。

 どのように不動産を探すユーザーを集めるか、そしてどのように効果的に送客をするか、は、以前から不動産サービスの会社にとって大きな議論のポイントだった。これまでの方程式だと、情報のプラットフォームを作り、不動産会社に送客していくのが、正攻法だった

 ただ、もしかしてこれからは、インフルエンサーたちの紹介などがひとつの方法になるかもしれない。実際に、不動産以外の商品でこの手法は、多くのシーンで多用されている。

 今後は、インフルエンサーにモニター入居してもらったりや、インフルエンサーが物件を取材したりなどの「案件」が増えていくかもしれない。

 何か新規事業を検討している会社は、是非、本日紹介した事象を頭の片隅にでも置いて頂ければ幸いだ。もしかしたら、これが、最新、かつ究極の送客システムのひとつなのかもしれない。


記事提供:南総合研究所


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