こんにちは、PR BASE不動産市場調査部です!
本日の記事は『マンション仕様の変化について~価格高騰による影響はかなり大きい!?~』です。
先日、記事をアップしました、
住宅ローン最前線&これからマンションどうなる?」オンラインセミナーに参加しました!!~モゲチェック塩澤さんに衝撃を受けました~
を読んで頂いた方なら住宅ローンが与える不動産への影響が大きいことがわかったかと思います。
今月も変動金利は0.2%台のものもあり相変わらずの超低金利で推移しています。
コロナ以降は住まいへの需要が高まり、この超低金利ということも相まってマーケットは非常に好調で価格は高騰し続けています。
価格の高騰はとても顕著で、株式会社リクルートのSUUMOリサーチセンターが毎年だしている
『2022年首都圏新築マンション契約者動向調査』によれば新築マンションの首都圏の平均購入価格は5890万円で2001年調査開始以来過去最高になったとのことでした。
平均購入価格の推移を見ると、全エリアで2021年より上昇し、2001年の調査開始以来、最も高くなっています。
ただ、皆さんご存じの通り国民の給与は殆ど上がっていません。それどころか、インフレによる生活コストが上がり手元に残るお金は減ったのではないでしょうか?
となると、マンション購入費用はなるべく抑えたいですよね。
平均専有面積の推移を見ると、少しでも価格を抑えるように東京都下、神奈川県、千葉県で2021年より低下し、2001年の調査開始以来、最も小さくなっています。
こちらは、株式会社長谷工総合研究所が作成している東京都の新築マンションの平均価格とともに平均面積の推移を表したものです。
2010年頃から青い線が上に上に伸びており価格が高騰していることがわかります。
一方で、上にも伸びている青い線は2014年頃から左にも伸びていることがわかります。これはすなわち価格が上がる中、面積は狭くなっているということを表しています。
2014年の平均面積は70㎡弱ありましたが、2020年は62㎡以下。2021年も65㎡ほど。
そして、この表で言うところのピンクの線が示す23区外では5,000万円あたりで停滞しています。青い線に比べて横移動が大きく縦の動きが小さいのも特長です。
所得が限られている都内23区以外や郊外エリアではを一定の金額超えると顕著に売れなくなります。
お菓子の大きさがどんどん小さく、ポテトチップスが少なくなるように、販売されるマンションはどんどん狭くなってきています。
狭くするにも限界があるので、近年販売されているのものは仕様に関しても下がっている傾向にあります。
デベロッパーは何かを犠牲にしながら価格が上がらない工夫をしているということですね。
◆価格高騰の中でマンション仕様にはどのように変化したか?
デベロッパーの工夫の前に、スペックがいいと言われるマンションの仕様を見ていきましょう。
①3面鏡②アルコーブ③スロップシンク④タンクレストイレ&手洗い器⑤ディスポーザー⑥ワイドスパン
他にもありますが、最初に調べるであろうSUUMO・LIFULL HOME’Sなどのポータルサイトの情報から読み取りやすいのはこういったところでしょうか?
本記事では、特に大きな変更点である『ワイドスパン』と『アルコーブ』について深堀します。
◆ワイドスパンについて
まずは『ワイドスパン』です。主にマンションで使われる言葉で、バルコニー側の間口が広い間取りのことをいいます。
厳密な広さの定義はなく、一般的な間取である70㎡前後の3LDKでは、通常間口6メートル程度がため、それよりも広い間口7〜8メートル以上をワイドスパンと言っています。
≪メリット≫
・間口が広くなり、窓を多く設置でき採光量が増える(窓の面積が増える)。
・バルコニーの幅が広くなることで開放感が増す。
・間取りのバリエーションが多くなることで居住性が高くなる。
・廊下を短くして部屋間の移動がしやすくなる。
≪デメリット≫
・全体の住戸数が減ることで一住戸あたりの販売価格が割高になる。
やはり、広い開口部は気持ちよく開放感があることでQOLが上がると思います。 ただ、建築コストを抑えなければならない昨今はワイドスパンが減っています。
◆アルコーブについて
次に『アルコーブ』です。
アルコーブとは通路や部屋などの壁の一部を凹ませて、独立したスペースを設けている部分のことです。
マンションにおいては個人で荷物を置いている方も見かけることがありますが、あくまで専有部です。
≪メリット≫
・通行を妨げる心配がない
・安全性の向上
・プライバシーが保たれる
・独立した空間を設けることができる
≪デメリット≫
・建築費が高くなる
・部屋にする部分の面積が減る
何よりも、通行人を気遣ってドアを開けなきゃいけないのは毎日のストレスになります。
こちらもただ、建築コストを抑えなければならない昨今はなくならない面積が縮小していると思います。
アルコーブの例になりますが、これがあるだけでだいぶゆとりが出てきます。
◆各年代のマンション図面比較
こちらは、2021年築の某郊外エリア大規模マンションです。
この物件を見ていると、
ディスポーザーなし、食洗機オプショ設定、廊下面ルーバーなし 、ソフトクローズは一部のみでほぼなし、
浴室ブラケットライト、タンク式トイレ(カウンター手洗い器なし)、洗面台一面鏡など仕様は決していいものではありません。
とはいえ私自身、価格が魅力的でしたので購入を本気で検討していました(買っていれば今頃はそれなりの利益を得られた、、、)
また、昨今の物件からすると中住戸3LDKで74.02㎡とそれなりに広かったです。
当物件はエリア的にも完全にファミリー向けなので、広さと価格のみに重きを置いたということです。
ここでもデベロッパーの工夫が見て取れます。ちなみに、この物件は即完売していました。
次に仕様が良かった時期の物件を見てみましょう。
ワイドスパンではないものの、どちらにもアルコーブ・ディスポーザー・スロップシンクがついております。
かつ、65㎡3LDKが世の中に多いこのご時世で75.8㎡、81.72㎡が取れている広さは非常に魅力ですね。
トランクルームがついているっていうのもすごくいいです。
今回、仕様について書かせて頂きましたが、言いたいことは、『新築だけでなく中古にもちゃんと目を向けていきましょう!』ということです。
特に、新築時にしかできないアルコーブ・スロップシンク・ディスポーザー・ワイドスパン更に広い専有面積が欲しいのであれば現在の新築マンションでは正直厳しいです。
冒頭のリクルート調査や長谷工総合研究所が出しているデータをもとに仕様がよさそうな築年数の物件を狙っていくのもいいかもしれません。
引き続きPRBASEを宜しくお願い致します。