目次
成約に結びつくSNSの出口戦略とは
不動産業界でも多くの不動産会社がSNSを始めるようになった。今や大手の不動産会社のみならず、小規模な不動産会社でもSNSを取り組んでいくことは、スタンダードになりつつあるようだ。また興味深いのは、スタートアップの不動産会社の多くが「最初に」SNSを始め、集客を行うようになったということだ。これは、数年前まで考えられなかったことである。以前までは(今も大多数がそうではあるが)、まずポータルサイトの加入、そしてポータルサイトに物件掲載を行うことがスタートだった。
しかし、現在、その流れは変わりつつある。まず、SNSでテストマーケティングを行い集客を試みる不動産会社が増加している。
とはいえ、不動産の仲介事業としては、「成約を取ってなんぼ」の世界であることは変わりない。いくら多くのフォロワーを獲得しても、実際ビジネスに結び付けなければ、それは徒労に終わる。なによりも獲得したフォロワーをどのように、高い見込客にさせるかを考えなければならない。
しかし、現実的に、このあたり。実践している不動産会社は、少ない。おそらくこうした取組は、フォロワー獲得よりも何倍も難易度が高いのだろう。今回は、成約に結びつくSNSの出口戦略をまとめてみたいと思う。
SNSの出口戦略
DMで商談まで持っていく
一番、スタンダードなのが、DMで問い合わせ対応を行うことだ。Twitterであれ、Instagramであれ、DMの問い合わせから、内見のアポや商談のアポに繋げるケースがそうである。直接、ユーザーと直接的にやり取りができ、無駄なものを介在しないので、フローとしては、とてもシンプルでわかりやすい。しかし、DMの問い合わせだけに頼っていると、思わぬ落とし穴に落ちてしまうことも忘れてはならない。
まず、顧客の確度がなかなか読みづらいことだ。冷やかしなのか、それとも本気の検討者なのかがわからない。また、多くの問い合わせが来た場合には、個別のチャット対応が煩雑になりがちだ。
さらに、思いのほか、SNSでのDMの問い合わせは、獲得できないという事実も忘れてはならない。多くのSNSフォロワーを獲得している不動産会社でも、直接のDM問い合わせは、あまり多く無いようだ。
セミナー、ウェビナーに結びつける
SNSで認知を高め、その後、ウェビナーなどの研修などに繋げていく。不動産仲介事業だと相関性は高くはないが、投資系の不動産会社だととても効果が見込まれる。何よりも、それなりの確度の高い検討ユーザーを取り込めるのが、メリットだ。ウェビナー参加後に個別相談に案内することで、より具体的な商談を進めることができる。
注意しなければならないのは、こういったセミナー系の獲得戦略は、継続性が無ければいけないことだ。ひとつのコンテンツのセミナー内容ではなく、複数のセミナーを準備して対応をしていかなければならない。
自社サイトへの誘導
SNSから自社サイトへの誘導。これがおそらく一番スタンダードだろう。会社をユーザーに認知してもらい、その後、自社サイトに誘導し、反響を獲得する。この流れを上手く掴めることができれば、仲介事業として大きな成果が生まれるだろう。
しかし、まずその力のある「サイト」を持つためには、それ相応の「物件数」と「質」が重要だ。スタートアップの不動産業で、SNSフォロワーを増やしても、効果が生まれないケースは、こうしたバックエンドになるサイトを準備していないことも起因しているのではないだろうか。
別のSNSへの誘導
たとえば、「TwitterからLINEへの誘導」などのようにユーザーとの連絡が行いやすいツールへ移動を促すこともひとつの戦略だ。前述したようにTwitterでは、なかなかDMだけでは、ユーザーの確度を図ることは難しい。しかし、LINEの機能を使えば、一斉配信を行い、特定のユーザーに向けた物件の広告やセミナーを実施することができる。これにより、DMとは違った営業戦略が打てるようになる。
まとめ
繰り返すが、フォロワーを増やすだけでは、認知度は向上できたとしても、なかなか収益化をするのは難しい。当然、会社の認知度も上がるし、ブランディングに大きく寄与することができるが、より実戦でSNSを利用するためには、上記のような「フォロワーを獲得した後の戦略」をしっかり構築していかなければならない。
今後、SNS運用を検討されている不動産会社の方は、フォロワーが多い不動産会社の投稿内容だけでなく、その後のそれぞれのフローも少し気に留めておいたほうが良い。あくまでもSNSは入口である。出口戦略を描いてこそ、SNSは大きな収益のブースターになり得るのだ。
記事提供:南総合研究所
オススメの記事