ブランディング施策、SNS運用が成功する不動産会社とそうではない会社の違い【南総合研究所】

  1. 不動産事業者向けコラム

ブランディングを高めていきたい不動産会社の理想と現実

 不動産会社の経営者層のかたとお会いすると、かなりの高確率で「自社の立ち位置」についてのお話をされる。この「自社の立ち位置」というのは、「不動産業界での立ち位置」なのかもしれないし、「ユーザーから見える自社のサービス」に対してなのかもしれない。いずれにしても、他社、もしくは第三者から自身の企業がどのように見られるかは、多くの経営者、幹部が気にしているところだ。また、こうした「立ち位置」についてご相談された後、話は「自社の発信方法」についての話題に流れることが多い。当然、私としては、「会社の在り方の再認識」、またそれらのサービスの精査、そして発信方法などをお伝えする。ありがたいことに、経営者層のかたに興味を頂き、では「諸々を自社内で発信して自社のブランディングを高めていこう」となるのだが、結局のところ、それで大きく成功した会社とそうではない会社と真っ二つに二分されるのが現状だ。

SNS運用が失敗する不動産会社のケース

 はたしてこの違いは何だろうか?特に最近では多くの不動産会社がブランディングのためのサービス発信、またユーザー獲得のためのSNS運用を行っているが、現実はその数十倍もの企業が挫折しているのも現実だ。この違いを今回は、少し整理してみる。

 1.現場に丸投げしてしまうケース

 中小企業であれば、SNS運用や広報活動などは、必ず経営層がしっかりマネジメントをしなければならない。軽いノリで「SNS運用」しておいて、と部下に依頼したり、「会社の広報」をよろしく、という指示だけでは、ほぼ100%上手くいかない。少なくとも経営層、幹部層で、運用の戦術などを確認しなければ、なかなかも進んではいかないだろう。

 逆に、ブランディングが上手くいっている企業は、その運用開始時に、経営幹部層がかなり介入し、運営を行なっているケースが多い。これは、コミットの問題もあるし、何より幹部陣の「姿勢」にも関係しているだろう。

 2.目標値が未設定で運用するケース

 SNSでの物件情報の発信であれ、広報発信であれ、ある一定の目標数値は必要だ。たとえば、SNSであれば、月次のフォロワー数や問い合わせ数など、目標値をおかなければいけない。当然といえば当然だろうが、意外と緩く開始する企業が多いのが実情だ。たとえば、SNSではなく、ポータルサイトの反響目標数などは、どこの不動産会社も細かく設定する。しかし、結果が出るか出ないかわからないSNS運用だと目標すらも立てないケースが多い。目線を合わせるためにも、しっかりと目標値は設定しておかなければいけない。

 3.発信ツールがひとつのみのケース

 今から10年ほど前は、Facebookで物件紹介のページを始めた会社が少数存在する程度だった。その後、Twitterを使った物件紹介、さらにInstagram、YouTubeなどと現在ではそのツールは、多岐に渡る。現在は、これらのツールを上手く連携して運用していったほうが成功率は、当然ぐっと上がる。逆に、単一のみの運用だと、一気に成功確率は下がってしまう。ちょうど10年ほど前にFacebookのみで集客が成功した企業は、今はあまり生き残っていない。他のSNSでの連携を強めていった会社のみが生き残っているのが現状だ。

 4.定例で進捗を追っているか否か

 この定例での数値確認が、まさに成功を左右する。今の不動産会社でSNS運用、もしくはブランディング施策などで、定例mtgを実施している企業がどれほどあるだろうか?週に1時間も必要ない。せいぜい30分だけでも、全員で数値を確認することにとても大きな意味がある。意外と忘れがちになる更新や発信だからこそ、全体の共有が重要だ。逆にこの定例の確認作業さえ怠らなければ、ある程度成功確率は高まるような気がする。ちなみに、定例mtgの際に、新たなコンテンツのアイデアなどが出ることも多い。

 5.他社に外注できるか否か

 思いのほか、SNS運用やブランディング施策は大変な作業である。ある程度、自社内で回すとしても、リソースが限られる。そうした時には、他社に外注して運用をお願いしてみるのも手だろう。外注する利点としては、「定例確認」が自動的に組むことができることが挙げられるだろう。定点観測の時間を設けることで、しっかりと向き合う時間が確保できる。ただ、デメリットとしては、やはりコストの問題である。このあたりは、パッケージでお願いするか、単発でお願いするか、いろいろと調査したほうが良い。

 6.出口戦略があるか

 フォロワーが増加したり、会社の認知度がアップした時、はたしてそこに売上に起因する「仕掛け」があるかどうかも重要だ。たとえば、企業のブランディングが成功しても、それを刈り取る営業戦略がなければ意味がない。逆にその仕掛けがあるだけで、成果は大きく異なるだろう。たくさんのかたから発信内容に反響があっても、返信し、それをビジネスに繋げなければ、意味をなさない。

まとめ

以上のように纏めてみたが、つまりは、不動産会社が、ブランディング施策、SNS運用を成功させるためには、「初期の段階では幹部層がしっかりとマネジメント」し、「さまざまなツールを連携させ」「目標値を設定したうえで」、「定例で進捗を追う」。リソースが厳しい場合は、「外注も視野に入れながら」、運用し、最終的に刈り取れる「仕掛け」を準備すれば、かなりの高確率で上手くいくのではないかと感じる。是非試してみてほしい。


記事提供:南総合研究所


登壇者に直接相談できる不動産YouTube
【東京不動産マニア】
不動産の購入・売却を考えている方は
登壇者の公式LINEでお問い合わせください💡

東京不動産マニア

関連する記事