【インタビュー】まずは自分で体験してみる!内見女子を立ち上げた株式会社Roombox (旧:株式会社テイ・コーポレーション)の事業の立ち上げ方とは?!

  1. キーマンインタビュー

前回のインタビューでSNSのトレンドを探るため、株式会社KIZUNA FACTORYの稲垣社長にインタビューをさせて頂き、そのご縁で株式会社Roombox (旧:株式会社テイ・コーポレーション)の鶴巻社長にインタビューの機会をいただきました。稲垣社長も絶賛する、鶴巻社長の事業の立ち上げ方とは…?今内見動画界隈で最も有名な内見女子の立ち上げストーリーに迫ります。

株式会社Roombox (旧:株式会社テイ・コーポレーション)とは

Roomboxさんは、IT・SNSを通じ、お部屋探しや不動産仲介を楽しく快適な体験に変えることを目指す会社です。東京・神奈川を中心に賃貸物件をご紹介している、「内見女子」というアカウントを運用している会社さんです。Instagramのフォロワー数は10,000人を突破し、お問い合わせ数も月間2,000件という凄まじい数字をたたき出しております。本日はその秘密を探るべく、鶴巻社長にお話を聞いていきます!

― 鶴巻社長、本日はよろしくお願いします!早速ですが、御社の創業について教えてください。

ちょうど一年半前くらいにDeNAという会社を退職し、起業しました。

― DeNAではゲーム事業に携わっていたと伺いました。そこから何故不動産の事業を始めようと思ったのですか!?

私自身が街が好きというのがありました。いろんな街に行くのが好きなので、家や引っ越しへの興味も強くあり、その中で引っ越しをする際のお部屋探しの体験や、仲介業者さんの大変さ、みたいなところを変えたいと思ったのが一番の理由です。

ー どんな体験でしたか?

実際に物件探しをスタートすると内見や商談の日程調整などのやりとりが両者にとって大きな負担になりますよね。本来、お部屋を見つけて引っ越しをするのって多くの人にとって、ワクワクする楽しいものだと思うので、その辺りを快適にすることで楽しいものにしたいなっていうのはありました。元々IT業界にいたこともあって、なんだこの仕組みは?と思うところもあったり…。加えてお部屋探しをするときに、仲介業者の担当者さんってすごく大変そうだなと感じていました。他の人宛のメールが届いたことも何度かあり、とにかく大変そうだなと…同時に多くのお客様を対応されていたり、契約書とか日程調整の部分で事故のような出来事もありましたし、そういった業務の大変さ、というのも変えていけたらいいなと思いました。

― 確かに、同時に多くのお客様の日程調整や契約までの進捗を管理するだけでも大変そうですね…。どうやってそれを変えていこうと思ったのですか?

はい。よくあるなと思っていたのが、「リアルな業界を楽しく、快適に」というのをITの力で実現しようとして、いきなり業界に切り込んでサービスを作るっていうのがありがちだと思います。ただ、それは現場のことが分かっていないサービスになりやすいと思っていたので、まずは自分自身が宅地建物取引士の資格を取り、仲介業をやってみようと思い、不動産の実務から始めることにしました。

― 分かります!でも実際にそう思っても、なかなかゼロから不動産実務を始めるのは大変ですよね?

はい!まずは宅地建物取引士の資格を取って、宅地建物取引業の免許も取得しましたが、業界のことは全然わからない状態でした。それでも色んな方にお話を聞いたり、知り合いづたいに仲介業者さんを紹介いただいて、しばらくそこで修行させてもらったりして賃貸仲介をやってみて、やはりこれは大変だな、と思いました。日程調整の大変さはもちろんですが、特に一番辛いと思ったのがやみくもに反響を増やしたときに成約率が低いと本当に大変だなと…。この成約率の低さとそこから得られる仲介手数料から考えるとなかなか費用対効果が合わないなと思いました。

個々のお客様に対して使える時間が少ないですし、接客も丁寧にやりたくても出来ないのはしょうがないなって思ってしまう程でした。仲介業者の担当者さんの本質的な業務は、お客様への物件提案や内見物件探しといった部分なのに、日程調整やポータルサイトへの物件掲載だったりと、実際のところは本質的な事に時間を使えていないなと思いました。その部分を大きく変えていきたい、というのを改めて思いましたね。

― こうして生まれたのが内見女子だったり、現在のLINEでのお問合せだったりするのですね!

はい、内見女子については、新しい集客手段を多くの仲介業者さんが求めているというのを凄く感じていたので、ポータルサイトやHPから集客するということ自体に変化があるだろうなと思っていました。そこに対して新しくSNSから集客するという手段は非常に有効なのではないかと思っていました。SNSで集めたお客さんを仲介業者さんにLINEやシステムを活用して効果的にご紹介するということが出来ると、そこにかかる時間を削減でき、成約率も上がるので、仲介業務に集中できるようになると思いました。

― 内見女子という発想はどこから生まれたのですか?

徹底的なリサーチから生まれました。リサーチがほぼ全てかなと思っています。YouTube・TikTok・InstagramといったSNSの不動産系のアカウントは当時のものはおそらくほぼ全て見てきたかなと思います。見た上で、どれが本当に反響を獲得できているのかっていうのを徹底的にリサーチしました。そしてそのアカウントがなぜ反響が獲得できているのかっていうのを抽象化したうえで、それを再現するということを突き詰めた結果、内見女子が生まれました。

― 今のフォーマットは計算し尽くされた結果ということですね!

いえ、計算しつくされたっていうと狙ってできた感じに聞こえてしまうかもしれないのですが、本当に調べ尽くした中でこれならか当たるかもなって思ったのをいろいろ試した結果、その一つが当たったという表現の方が正しいかもしれません。

基本の「女の子と親しみやすいテロップで内見」という形式は変えていませんが、その中のキャッチコピーや文言、物件の種類、家賃帯、間取り、というのは全て記録しており、どのパターンがいいのか、というのは徹底的にやってきました。

例えば、最初の方とかは「渋谷モテ部屋」といった地域名ベースで投稿しており、このエリアで探している人を集められるだろうと思っていました。しかし、実際のお問合せを見てみると、実はエリアで探しているのではなく、なんとなくオシャレな物件に住みたいという人たちがほとんどでした。そこで、地域名ではなく「新築モテ部屋」「築浅モテ部屋」とか「一人暮らしモテ部屋」とかそういうのが当たりやすい、といったことを細かく試していきました。

このようにたくさんリサーチし試した結果、その中の一つが伸びてきたという状況です。今でもハッシュタグもそうですし、最初のキャッチコピーもそうですし、動画の撮影の仕方も色々変えながら投稿を続けています。

― 内見女子をやろう!と思って始めたのではなく、リサーチする中で辿り着いたのが内見女子だったのですね!

そういう事です!

― PR BASEとしても様々な不動産関連のSNSを見てきましたが、あれだけコメント欄に「詳細ください」ってコメントされるのを見たことがありません。動画に対してのお問合せが凄いですよね?

はい、まさにそこが一番の目的としているところです。私たちは本当に反響獲得にフォーカスをしているので、その部分が大きいと思います!どうしてもSNSを始めるとフォロワーが欲しくなってしまうと思いますが、狙いすぎると結果的にそれが自分たちの首を締めるリスクも高くなると思っています。やはり特徴的な物件だったり、面白いものや分かりやすいものに行き過ぎてしまうと、そういうのを求めているお客様が普段から見るようになってしまうと思います。そうすると、そういった動画を投稿し続けなければいけなくなるリスクもあるかなと…。

また物件自体を変な形で面白おかしく扱ってしまったりすると、管理会社やオーナー様からの評判も悪くなる可能性もあります。ですので、実際の住み替えたいというお問合せを集めることにフォーカスしているのがコメント欄の反響につながっているんだと思います。

― そこでの反響が月間2,000件あるということですね…凄すぎます!

はい、それくらいありますね。その反響の部分と、その後のLINEが他のアカウントと違う部分かなって思っています。やはり、ポータルサイトの代わりに反響獲得を一番の目的とし続けているという部分が一番大きいかなと思っています。みんながちょっと手を伸ばせば住めそうな物件を掲載することによって反響を集める、というのはやはり大きかったなと思います。

― LINEのお友達追加をしてからのアクションもかなり自動化されていますよね。

はい、ほとんどを自動化しています。仲介業者さんの業務効率化や成約率向上のために、自分達で日々試行錯誤をしながらやっています。

― 私たちも登録してみましたが、途中で登録をやめたらリマインドがきたり、そのリマインドもしつこくなくまた登録し直したくなるような仕掛けがありました。

少ししつこいと言われることもあります笑ただ、元々DeNAでゲームの設計をしていたのでその経験は活かせていると思います。

ゲームって、正直、実際の生活で必要ではない中で、どうやって継続してプレイしてもらえるかを考えないといけないので、すごく難しいのですが、お部屋探しって必要性があってご利用頂けるので、その中でどうやったら楽しく、先に進んでもらえるのか、という風に考える際に活かせているのかなと。ゲームよりは必要だと感じてもらいやすいので、考えやすいですね!

最後に今後の展望をお聞かせください!

集客の部分ですとSNSでお部屋探しをするのが当たり前になる!という世の中を実現したいという思いがあります。また、業務効率化や成約率向上の文脈ですと、仲介業者さんとお部屋探しをしている人とそれぞれが楽しく、快適になるようなお部屋探し体験を提供した結果、お客様は良いお部屋が見つかり、仲介業者さんは業務効率化も進み、成約率も向上しているという状態にしたいです。
実現には法律的な懸念の話もそうですし、オーナーさん管理会社さんとの関係もそうですし、乗り越えなくてはならないハードルは多くあると思っています。まだまだお客様からも怪しいと思われることもありますし、そういった部分を変える為にも、健全なやり方というのを色々推し進めていきたいなと思います。

健全なやり方で道を切り開いていけたら嬉しいなと思います。SNSでの集客やLINEなどの業務効率化や成約率向上にご興味がある会社様、既にそれらを運営されている会社様、ぜひ色々お話させていただきたいので、下記からご連絡いただけると嬉しいです!

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